セクレトームエキス®とは?
── 定義・製造・品質管理をわかりやすく解説します
「セクレトームエキス®」とは何か──培養上清液やエクソソームとの違いが分かりにくい、という声をよくいただきます。化粧品原料を扱う立場から、その定義と、どのように作られ・どんな用途に使われるのかを、できるだけ簡潔にご説明します。なお培養上清液との「違い」を詳しく比較したい方は、培養上清液とセクレトームエキス®の違いとはをあわせてご覧ください。
セクレトームエキス®とは
セクレトームエキス®とは、ヒト脂肪由来幹細胞(ADSC/ASC)の培養上清液から、アンモニアや乳酸などの不純物(代謝老廃物)を除去し、有用な分泌因子(セクレトーム)を濃縮した化粧品原料・研究用試薬です。
通常の培養上清液が「細胞を培養した上澄みそのもの」だとすれば、セクレトームエキス®は「そこから不要なものを取り除き、価値ある成分を高めた、精製・規格化された原料」と言えます。
「セクレトーム」の「エキス化」とは?
なぜ「エキス化」するのか
「セクレトーム」とは、細胞が分泌する成長因子・サイトカイン・エクソソームなどの生理活性物質の総称です。単一の成分ではなく、多様な因子が相互に作用すること(パラクライン効果)が特徴とされています。概念そのものの詳細は、よくあるご質問「セクレトームとは何ですか?」でも解説しています。
培養上清液に含まれるセクレトームには有用な因子が含まれますが、同時に代謝老廃物などの不要な成分も混在します。そこから不純物を取り除き、有用因子を濃縮する工程を経て、原料として安定して扱える状態にしたものが、「エキス化」されたセクレトームエキス®です。
どうやって作るのか ── 浄化・高濃度化・規格化
図:当社独自の「浄化・高濃度化・均一化」プロセス。培養上清液から不純物(アンモニア・乳酸)を除去し、HGF(肝細胞増殖因子)を高濃度に規格化することで、ロット間差のない安定した品質を実現します。
セクレトームエキス®は、上図のように ①浄化(アンモニア・不純物の除去)→ ②高濃度化(有用因子の濃縮)→ ③規格化(ロット間差をなくす) という流れで製造されます。とくに当社は、アンモニアと乳酸をロットごとに定量測定し、規格値以下に管理する独自の浄化技術を採用し、測定値を規格書として開示しています。
品質の裏づけ ── HGFの規格化と安全性
品質管理の指標として、当社はHGF(肝細胞増殖因子)濃度を定量しています(化粧品原料は1 TBU = HGF 1 ng/mL、研究用試薬(凍結乾燥品)は 1 TBU = HGF 1 ng/vial)。HGFは細胞の活性状態を反映しやすく、ELISA法など標準化された手法で測定し、ロットごとの数値を規格書として開示することで、「高品質」といった定性的な表現ではなく、客観的なデータで品質一貫性を示しています。
あわせて、エンドトキシン・無菌・マイコプラズマ否定試験・ウイルス否定試験などの安全性試験を実施し、合格したロットのみをご提供しています。
▶ 関連FAQ:他社の培養上清液原料との違いは何ですか?/質の良い培養上清液の見分け方は?
どんな用途に使われるか ── 化粧品原料と研究用試薬
セクレトームエキス®は、化粧品原料として国内外の化粧品メーカー様・OEM/ODM企業様に、また研究用試薬として大学・研究機関様にご提供しています。
化粧品原料としてはINCI名(Human Adipose Derived Stem Cell Conditioned Media Extract/全成分表示名称:ヒト脂肪由来幹細胞順化培養液エキス)を取得済みで、化粧品基準に準拠した成分管理のもと、そのまま化粧品の処方にご使用いただけます。
まとめ
セクレトームエキス®とは、ヒト脂肪由来幹細胞の培養上清液を精製・規格化した原料です。化粧品原料・研究用試薬として、客観的な品質データ(HGF・アンモニア・乳酸)とともに供給しています。
培養上清液との具体的な「違い」はこちらの記事で、概念としての「セクレトーム」はFAQで、あわせてご確認ください。
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規格書・サンプル請求のお問い合わせはこちら →※セクレトームエキス®は化粧品原料および研究用試薬として供給されており、診断や特定の疾患の治療を目的とするものではありません。化粧品としての使用は薬機法(化粧品56効能)の範囲内に限定されます。
参考文献
Skalnikova H, et al. Mapping of the secretome of primary isolates of mammalian cells, stem cells and derived cell lines. Proteomics. 2011;11(4):691-708.
Schneider M, Marison IW, von Stockar U. The importance of ammonia in mammalian cell culture. J Biotechnol. 1996;46(3):161-185.
Matsumoto K, Nakamura T. Hepatocyte growth factor: renotropic role and potential therapeutics for renal diseases. Kidney Int. 2001;59(6):2023-2038.
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