セクレトーム

生体組織の細胞は、組織修復や恒常性維持に必要な分泌因子群(成長因子、エクソソーム等)を放出しており、これらを総称して「セクレトーム」と呼びます。

近年、幹細胞が示す多様な作用は、細胞そのものではなく、細胞が分泌するセクレトームによるパラクライン効果(近隣細胞への作用)が中心であることが解明されつつあります。この概念は再生医療研究において重要な位置を占めています。

「セクレトーム」という用語は、分泌された有用因子群そのものを指す科学的概念です。一方、これらが産生されるプロセスで得られる「培養上清液」の中には、有用なセクレトームだけでなく、細胞の代謝によって生じたアンモニアや乳酸などの老廃物も混在して存在することが知られています。

このため、セクレトームを実用的な原料として活用する際には、培養上清液から不純物を除去し、有用成分を濃縮する精製プロセスが重要となります。

セクレトームの主な成分、培養上清液・セクレトームエキス®との関係、原料としての評価ポイントは、よくあるご質問「セクレトームとは何ですか?」でも詳しく解説しています。

英語表記Secretome

参考文献

  1. Hathout Y. Approaches to the study of the cell secretome. Expert Rev Proteomics. 2007;4(2):239-248.
  2. Mukherjee P, Mani S. Methodologies to decipher the cell secretome. Biochim Biophys Acta. 2013;1834(11):2226-2232.
  3. Maguire G. Stem cell therapy without the cells. Commun Integr Biol. 2013;6(6):e26631.
  4. Schneider M, Marison IW, von Stockar U. The importance of ammonia in mammalian cell culture. J Biotechnol. 1996;46(3):161-185.
  5. Cruz HJ, et al. Metabolically optimised BHK cell fed-batch cultures. Enzyme Microb Technol. 2000;27(1-2):43-52.

上部へスクロール