無血清培地(serum-free medium)とは、細胞培養において従来汎用されてきたウシ胎児血清等の血清成分を添加しない培地のことである。
血清は細胞増殖を強力に促進する多様な成長因子を含む一方、未同定の成分が多く含まれるため、ロット間の成分のバラツキが生じやすい。さらに、動物由来のウイルスやマイコプラズマ等の病原体による交叉汚染(コンタミネーション)のリスクが懸念される。無血清培地は、血清の代替として特定の成長因子、ホルモン、脂質等(インスリン、トランスフェリン等)を既知の濃度で添加し、化学的組成を明確にしたものである。これにより、実験や製造工程における再現性が向上し、再生医療等製品や高品質な化粧品原料(培養上清液)の製造において、安全性の確保と品質管理の定量的評価が容易になることが報告されている。
英語表記Serum-Free Medium
参考文献
- van der Valk J, et al. Optimization of chemically defined cell culture media--replacing fetal bovine serum in mammalian in vitro methods. Toxicol In Vitro. 2010;24(4):1053-1063.