間葉系幹細胞(間質細胞)の由来はどれがいいの?

脂肪・骨髄・臍帯・歯髄等からどれを選びますか?

培養上清液(セクレトーム)の原料となる間葉系幹細胞(MSC)には、脂肪・骨髄・臍帯・歯髄など、複数の組織由来があります。原料を比較検討される際に「結局、どの由来が良いのか」というご質問をよくいただきます。当社では、それぞれの由来に固有の特徴がある一方で、原料としての品質を決めるのは由来そのものの優劣だけではない、と考えています。ここでは各由来の特徴と、品質を見極めるうえで本当に大切な観点を整理します。

間葉系幹細胞(MSC)とは ── 複数の組織に存在する細胞

間葉系幹細胞は、骨・軟骨・脂肪などへの分化能を持つ体性幹細胞で、ヒトの体内の複数の組織に存在します。培養すると、成長因子・サイトカイン・エクソソームなどの分泌因子(セクレトーム)を培養液中に放出します。この分泌因子を回収・精製したものが、化粧品原料や研究用試薬として用いられる培養上清液です。

主な4つの由来と特徴

代表的な4つの由来には、それぞれ次のような特徴が報告されています。

比較表で整理する

由来 主な特徴 留意点
骨髄由来(BMSC) 最も古くから研究された標準的な細胞源 採取に骨髄穿刺が必要で侵襲性が高い。加齢で細胞数が減少しやすい
臍帯由来(UC-MSC) 出産時に採取される若い細胞で増殖能が高い 産科医療機関との連携が必要で、採取時期に制約がある
歯髄由来(DPSC) 抜去歯から採取。神経系細胞への分化能が報告される 採取機会が限定的
脂肪由来(ADSC/ASC) 低侵襲な吸引脂肪採取で、健康な成人から安定的に多く採取できる 形成外科領域で確立された採取技術が前提

各由来にはそれぞれ強みがあり、どの由来が適しているかは用途によって異なります。

なぜテレバイオは脂肪由来(ADSC)を採用しているのか

当社がヒト脂肪由来幹細胞(ADSC/ASC)を主要な細胞ソースとしているのは、採取のしやすさ・倫理面・培養のしやすさという、産業利用における実務的な理由からです。

採取面では、形成外科領域で確立された低侵襲な吸引脂肪採取により、健康な成人ドナーから、適切なインフォームドコンセント(同意取得)のもとで安定的に多く採取できます。採取が安定していれば供給量を確保しやすく、培養上清液(セクレトームエキス®)の原料として継続的に提供しやすくなります。当社はこの「安定供給のしやすさ」を重視して脂肪由来を採用しています。

また、脂肪組織は清潔な手術環境で採取され、汚染リスクが比較的低いため、培養工程で抗生物質を添加せずに製造できる点も利点です(当社製品は培養工程において抗生物質不使用)。あわせて、形成外科領域における長年の研究実績があり、ヒト脂肪幹細胞に関する学術的知見が蓄積されている点も背景にあります。

「由来の優劣」より大切なこと ── 精製と規格化

原料を選ぶ際、「この由来が優れている」「この因子を豊富に含む」といった訴求を目にすることがあります。しかし当社は、由来の優劣だけが強調されがちな一方で、実際の原料品質は採取後の精製・規格化や管理体制に大きく左右されると考えています。

たとえば、培養の過程で生じるアンモニアや乳酸といった代謝老廃物が残っていれば、有用因子の働きが妨げられることが報告されています。また、ロットごとに成分の濃度がばらつけば、せっかくの特徴も安定して活かすことができません。つまり、どの由来であっても、不純物を取り除き(独自の浄化技術)、HGFなどの指標を定量して規格化することで、初めて原料としての価値が安定したかたちで引き出せる、というのが当社の考え方です。

ここで、原料を見極める際の注意点があります。「アンモニアなどの不純物が少ない」という数値だけでは、必ずしも高品質とは言い切れません。原料を希釈すれば、不純物だけでなく、HGFやエクソソームといった有用因子も同時に低くなるためです。実際、培養上清液の品質は、不純物の少なさと有用因子の十分さの両面で見て初めて評価できます。当社は、アンモニア・乳酸を規格値以下に管理する(独自の浄化技術)と同時に、HGFなどの有用因子を定量規格化することで、「不純物は一定以下・有用因子は一定以上」の両立を、規格書の数値データで示しています。原料を比較される際は、表示値を鵜呑みにせず、有用因子が実際に十分含まれているかを、第三者機関での測定や当社の無償分析などで確認されることをおすすめします。

まとめ

間葉系幹細胞の由来には、脂肪・骨髄・臍帯・歯髄などがあり、それぞれに特徴があります。当社は、低侵襲で安定的に採取でき、供給を確保しやすいという実務的な理由から脂肪由来を採用しています。

ただし、原料選定で本当に重要なのは由来の優劣だけではありません。アンモニア・乳酸などの代謝老廃物が管理され、HGFなどの有用因子が規格化され、ロット間差が定量的に示されているか。こうした「精製・規格化・客観データ」の観点こそが、安定した品質の原料を見極める軸になると当社は考えています。

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